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いきもの図鑑
浜寺公園の四季の虫について
厳密にいうと公園のような普通種の多い環境ではその季節にしか見られない虫というのは多くありません。ほとんどの虫は、春後半から秋までが一般的な出現時期となります。季節によって見られないのは、餌資源として利用できる花がその季節に公園にない、暑さをさけて過ごしやすい別の場所に移動している、夏休みでこども達が採集に熱心でよくつかまってしまったなどの理由によります。
春の虫
春が来て、植物が花を咲かせるようになると、さまざまな虫が花をめざしてやってきます。代表的なものはチョウで、背の低い草花にはヤマトシジミ、ヤマトシジミと大きさが近いツバメシジミ、モンシロチョウ、ベニシジミなどが、樹木の花にはナミアゲハやアオスジアゲハなどがやってきます。また、チョウ以外にもコアオハナムグリがナニワイバラやシャリンバイの花に花粉を求めてやってきます。花のまわりではキムネクマバチがなわばりをつくって飛び回ります。植物には花粉や蜜を求めるチョウたちだけでなくアブラムシなども発生するのですが、これを肉食のナナホシテントウがねらっています。なお、ここに紹介したほとんどの虫は春後半から秋までが一般的な出現時期です。
夏の虫
夏というよりも夏休みの虫といえばなんといってもセミが有名ですね。浜寺公園にはニイニイゼミ、クマゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシが見られますが、多いのはクマゼミとアブラゼミになります。夏の花クチナシにはハチドリによく間違えられるオオスカシバがやってきます。また、夏ごろから目がくりくりとかわいいイチモンジセセリがよく見られるようになります。また、夏といえば水辺に行きたくなりますが、バラ庭園の水辺では、シオカラトンボ、チョウトンボ、ショウジョウトンボ、ギンヤンマなどいろいろなトンボが現れます。
秋の虫
浜寺公園のバッタの原っぱでは、マダラバッタ、トノサマバッタ、オンブバッタ、ショウリョウバッタなど様々なバッタが見られます。彼らの多くは5月末ごろに卵からかえり成長します。中には何度か世代を繰り返すものもいるが、秋には成虫が出そろいます。秋はバッタの季節と言っていいくらいです。そのほか夏ごろからウスバキトンボが草地の上を飛ぶ姿が増えてきます。ツマグロヒョウモンも春からいますが、秋によく目立つように思われます。
冬の虫
ほとんどの虫は11月半ばごろの寒波で姿を消しますが、中には冬を越して春に産卵するものもいます。ツチイナゴ、クビキリギスはそうした昆虫です。冬に草が残っているところでアミをふるとたまに入ってくることがあります。もちろん、卵やさなぎで冬を越すものが多いですが、その中でカマキリの卵塊は比較的よくみつかります。また、樹木につけた看板の裏で冬を越すテントウムシをみつけるのは冬の楽しみのひとつです。